夏休みに是非HPVワクチンを接種しましょう!
- 当院でもHPVワクチンを取り扱っております
- 非常に大切なワクチンであり、接種を強くお勧めします
- 世田谷区では女児だけでなく男児も全額補助対象です
- 複数回の接種が必要になります
皆さん学校や習い事、ご家族のお仕事など日々お忙しいと思いますが、是非この夏休みを利用して接種を進めて行かれるよう推奨します。
<HPV接種計画のポイント>
● 夏休み・春休みを活用しましょう
● インフルエンザワクチンとの同時接種が可能です
● 男児と女児で使用薬剤と接種間隔が違います
<キラリがお勧めするプラン>
◆女子(15歳未満)
9価ワクチン(シルガード9)で2回接種
1回目:7⁻8月
2回目:3月
◆女子(15歳以上)
9価ワクチン(シルガード9)で3回接種
1回目:7⁻8月
2回目:10月
3回目:3月
◆男子
4価ワクチン(ガーダシル)で3回接種
1回目:7⁻8月
2回目:10月
3回目:3月
<接種までの流れ>
①電話にてご予約ください
②女子は予診票(接種券)をご用意ください
※女子は定期接種ですので予診票はご自宅に郵送されます
男子は任意接種なので予診票郵送なし、クリニックある予診票をご利用いただきます
③接種当時は予診票と母子手帳を必ずご持参ください
※キャッチアップ接種対象者
平成9年(1997年)4月2日から平成21年(2009年)4月1日生まれの方で、2025年3月31日までに1回でも接種を済ませた方は補助対象内です
<HPVワクチンの重要性>
このワクチンの有効性に関しては既に様々なところでわかりやすく解説されていますので、是非そちらをご参照ください。
https://www.know-vpd.jp/vpdlist/hpv.htm
https://www.vaccine.metro.tokyo.lg.jp/
<院長からのメッセージ>
1928年にアレクサンダー・フレミングがペニシリンを発見してから私たちの医療は劇的に変わりました。正確に『何人の命が救われたか』は統計的に完全に把握するのは難しいですが、数千万~1億人、それ以上の命が救われたとする推計もあり、この100年間で急激に進む人口増加にも抗菌薬の登場は大きく影響していると推察します。
このHPVワクチンも人類にとって抗菌薬の開発と同じくらいのインパクトを持つものと認識しています。特定のがんが感染症によって発生することが知られるようになり、ピロリ菌の除去によって胃がんが激減するように、このワクチンによって子宮頸がんだけでなく、咽頭癌をはじめとする様々ながんの撲滅に寄与することが期待されます。
HPVはヒトのDNAに入り込んでその細胞分裂の制御を乱し、癌化しやすい状態を作り出すとされます。HPVだけでがんが発生するわけではありませんが、その大きなきっかけになっているのは確かです。これは感染症でもあるので、女性だけがワクチン接種をするのでなく、当然男性も接種することによって、この感染者を減らし、ウイルスの拡散を防ぐことで『がんの撲滅』を促進することが期待されます。
実際に先行して接種が進んでいる海外では非常に良好な経過が報告されています。モデルケースとされているのがオーストラリアで、2007年よりHPVワクチンプログラムが導入され、順調に発生率は低下しており、試算では2028年には女性10万人にあたり4人未満という『撲滅』レベルまで低下する見込みとのことです。現在の日本はどうでしょう。2021年の統計では人口10万人あたり子宮頸がんは16.6例で罹患、2023年は2949人の死亡が報告されています。
このワクチンはインフルエンザや水痘のように目先の感染を防ぐものではありません。子どもたちの未来をよい方向に変えてあげられる手段だと信じています。
接種にあたって疑問や不安がある方、漠然とした不安でも大丈夫ですので、遠慮なくご質問ください。
院長 山岡正慶