キラリ新着情報

花粉症診療に関して

花粉が辛い時期になってきました。
最近は薬のラインナップが増え、特に12歳以上のお子さんではいろいろ試せるようになってきました。
花粉でお悩みの方、いつでもご相談ください。

当院では以下の検査が可能です。

鼻汁好酸球検査(痛くない:所要時間15分)
アレルギー性の炎症が起きているか、細胞を染色して確認します。
鼻汁だけでなく涙でも検査は可能です。
何に反応しているかは特定できませんが、鼻炎や結膜炎が感染症でなくアレルギー反応として起きていることが証明できます。

皮膚プリックテスト(ほとんど痛くない:所要時間20分)
体が何に対してアレルギー反応を起こしているかを特定します。食物アレルギーの検査として頻用されます。
腕の皮膚に試薬(アレルギー物質)を付け、その部分にアレルギー反応が出ないか確認します。血液でのアレルギー検査で反応が出にくい乳児に向いています。
反応の度合いを定量的に評価することが難しく、反応があるかないかの定性的な評価にとどまります。
薬液の反応に細い小さな針で皮膚に見えない傷を付けますが痛みはほとんどありません。

血液検査(ちょっと痛い:所要時間5-7日)
体が何に対してアレルギー反応を起こしているかを特定します。食物や動物、環境アレルギーなど様々なアレルギー物質の特定に有効です。
血液中の特異的免疫グロブリン(IgE)を測定することで、反応のレベルと定量的に評価することも可能です。
普通の採血と一緒ですので、それなりに痛みは伴います。

『検査をしない』という選択肢も十分尊重されるものです
アレルギー診断は検査がすべてではありません。
明らかに特定の物質に対する症状があるときには、そのエピソードだけで診断することは十分妥当と考えます。診断において検査は非常に重要な参考データになりますが、必要条件ではありません。
子どもに与える侵襲(特に痛みや恐怖)は決して無視できないものです。『その検査を行って、その結果によって何かその後の行動が変わるか?』、これを検査を検討する際に必ずお伝えしています。

3月に外に長時間出るとくしゃみが止まらず目がかゆい人を前にして、ほとんどの医師はアレルギー症状を緩和する治療薬の処方を検討します。それで症状は改善し、その人の生活の質は向上するはずですが、この過程において『血液検査』は本当に必要でしょうか?血液検査でスギ花粉に反応が『あった場合』と『なかった場合』で何かアクションが変わるでしょうか?

原因物質の特定は非常に重要なことですが、分かったところで回避が難しい場合、それを特定する行為がどの程度意味を持つものか、お子さんのためにちゃんと考えるべきです。親の自己満足のための検査にとどまってしまうことは避けるべきです。
検査をすれば病院も検査会社も儲かります。親も原因物質が特定できて気持ちが楽になり、大人たちはハッピーかもしれません。しかし、子どものための医療として、それはあるべき姿と言えるでしょうか?

検査を考えるときは病状だけでなく、いろいろな立場からメリット・デメリットを検討して、現実的にベストな方法を選択すべきです。山岡はこれまで免疫細胞を扱う仕事を長く行ってきたので、血液検査だけでなく細胞の染色検査やプリックテストも容易に可能です。

検査をすべきか?どのような治療戦略がよいか?
気になることがあれば、いつでもご相談ください。

院長 山岡正慶

TOPへ