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コロナ検査の新しい運用のご案内

いつもキラリこどもクリニックをご利用いただきありがとうございます。

保育園に通い始め、早速風邪を引いてしまったお子様たちが非常に増えています。その多くのお子様が鼻汁が先行してから発熱する一般的な風邪パターンで、コロナ検査も不要な方が多いのですが、中には新型コロナの可能性が否定できないお子さんも少なくありません。

診断の精度をより高め、より早く、受診回数を最小限に出来るように、これまでに検査機器に加え、新しいPCR機器を導入し、PCR3台体制で診療を行います。

検査方法の選択は問診と身体所見から総合的に評価し決定ますが、概ね以下の運用に則って進めてまいります。

<コロナ検査の使い分け>

●発熱(38.0℃以上)から8時間以上経過
 →抗原定性検査(所要時間:8分)

●発熱(38.0℃以上)から8時間未満
 →院内PCR(所要時間:15分)

●微熱(38.0℃未満)もしくは熱を伴わない咳嗽や咽頭痛
 →院内PCR(所要時間:15分)

〇無症状の濃厚接触者
 →院内PCR(所要時間:1時間)
  外注PCR(所要時間:1-2日)

〇渡航前・帰国後PCR
 →院内PCR(所要時間:1時間)

※当院のPCR機器は2種類(NEAR法とRT-PCR法)あります
※NEAR法は15分で結果が出ますが定性的な検査で陽性・陰性の判定のみです
※RT-PCR法は定量的な検査でウイルス量が推定でき、無症状でウイルス量が極めて少ない人でも感知することが可能です
※発熱してから時間が経っていない方や症状が軽微な方はウイルス量が少ないことが多く、抗原定性検査では陰性になってしまう可能性がありました
※外注PCRと院内RT-PCRの精度は同等です。感染拡大によって検査キットの流通制限が生じた場合は、以前のように外注PCRベースの運用となり、検査結果報告が翌日夜になってしまう可能性があります。

抗原検査とPCR検査はどのように違うの?
・抗原検査はウイルスのタンパク質そのものの存在の有無を判定します
(ウイルスがそれなりの量で存在しないと『陽性』として見えてきません)
・PCR検査はウイルスの遺伝子(RNA)を増幅して、そのウイルスの存在の有無を判定します
(ウイルス量が少なくてもある程度あれば増幅され、存在が確認できます)

以上より、
抗原検査は、『症状がしっかりある』or『発症からある程度時間が経過している』方に向いており、
PCR検査は、『無症状~軽症』or『発症早期』に向いています。

未だに検査の特性を理解できていない医療機関も多くある印象です。抗原検査が陽性になっているのに再度PCR検査を受けさせたり、発熱初日に抗原検査陰性で翌日にPCR検査に行くように誘導したり、各医療施設の構造的な問題や担当される医師の独自のお考えもあるのでしょうが、コロナ検査のオペレーションは病院によってまちまちで混とんとしている印象があります。

査の限界を知りましょう
検査をするのは簡単ですが、検査も100%ではありません。
わずかな確率ですが、偽陽性や偽陰性があります。
この検査のエラーを最小限にするために『検査前確率=その病気らしさ』を正しく評価する必要があります。これは当然人間でしかできないもので、この見極める力こそが我々小児科医としての臨床能力そのものと思います。
山岡が対応したコロナ患者さんは500名を超えました。第1波から対応していますが、これまでの診療の中で、コロナらしさ(年齢に応じた症状の出かたや感染力)は流行株によって変わってきている印象が強くあります。特に今回のオミクロン株では、下気道よりも上気道症状が強く、年長児(主に学童以上)になるほどインフルエンザのような強い倦怠感を伴います。一方、年少児(乳幼児)ではクループや喘息などの呼吸症状や熱性痙攣などを伴うことが稀にあります。
当院では常にその時代のコロナらしさを見極め、検査やその後の療養のご提案いたします。

発熱外来の医療費は無視できません
また、コロナ診療には膨大な医療費がかかっています。
検査の原価も高いですが、それ以上に診察や検査にかかる医療加算が非常に高額です。
検査に関してご本人負担はありませんが、指定感染症という特別なくくりのために非常に高額な加算がついています。
もちろん、お子様への検査の侵襲も無視できません。
これから風邪を繰り返し引くであろうお子様に、本当に必要な検査を最低限の回数で済むように配慮した診療を心掛けてまいります。

新興感染症は新型コロナだけでは終わりません。
今後10年、20年できっと新しい感染症が出現し、同じように悩むと思います。
しかし、感染対策の基本になる考えは大きくは変わるものではないと思います。
当院はサスティナブルな子どもの感染対策の実践を目指し、最善の医療を提供できるように努力してまいります。

院長 山岡正慶

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