当院では開院以来ずっと輸入製剤にて接種を行ってきました。今回、本製剤が国内で承認され、ついに今年から市場に出ることになりました。最近外来でもフルミストに関して聞かれることが増えたので、再度こちらにご紹介いたします。
なお、今年から国内製剤の取り扱いが開始されたことに伴い輸入製剤の取り扱いが出来なくなりました。そのため、生産数が限られ、今年は昨年よりも実施できる数が限られてしまう可能性があることをご了承ください。
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★フルミストはこのような方にお勧めです!
・注射がとても苦手な方
・接種時になかなか安静が保てない方
・1回目は注射で頑張ったが2回目は頑張れそうにない方
・インフルエンザワクチンの種類に拘りなく、やや高額であるが1回の接種で長い効果を期待したい方
【フルミスト接種に関する概要】
(予約確認票でも同じ内容のご案内があります)
□フルミストの特徴
・本ワクチンは生ワクチンを鼻に噴霧し吸収させることで、本来のインフルエンザの感染様式と同じ自然な形で免疫を誘導します。
・流行株と違う株に対しても免疫が期待でき、効果は1年程度持続すると言われています。
・国内では今年から開始ですが、欧米では以前より公式に認可されていたワクチンです。
■接種対象者
<接種対象となる方>
・2歳以上、19歳以下
<接種できない方>
・2歳未満の方、20歳以上の方(有効性が実証されていません)
・過去に喘息の診断を受け、現在も発作が頻発している方
・卵やゼラチンの摂取でアナフィラキシー(重篤なアレルギー反応)の既往のある方
・心疾患、肺疾患・喘息、肝疾患、糖尿病、貧血、神経性疾患など慢性疾患をお持ちの方
・免疫抑制状態の方(接種者本人)
・家族や親しい人が免疫不全者で濃厚に接触する可能性がある方
・2歳から17歳でアスピリン内服中の方
・妊婦、または妊娠の可能性のある方
・他、医師が接種不適当と認めた方
■副反応および留意点
・接種後、軽い感冒様症状(鼻水・咳など)を約50%の方で認めます。
・微熱を含めて発熱を約10%の方で認めます。
■料金
・1回 8,500円(税込み)になります。
■Q and A
Q1:注射型とどちらがよいですか?
A1:効果はどちらも同じです。お子さんへの『侵襲』という観点では痛くないフルミストがよさそうです。
Q2:副作用は多いですか?
A2:多くはないですが軽い鼻汁や微熱など風邪症状が出ることがあります。
Q3:注射型と併用は可能ですか?
A3:可能です、2回接種対象者で注射が1回目がつら過ぎて2回目をフルミストで接種ということは可能です。10月に注射型を接種して、12月に後半の流行に備えてフルミストを接種する人もいます(明確なエビデンスはありません)。
Q4:喘息の診断でシングレア(モンテルカスト)を内服していますが接種可能でしょうか?
A4:1年以内に発作がなく安定していれば接種可能です。ワクチンによってカゼ症状が生じ、その影響で発作が誘発されては困るので、コントロール不良な喘息は接種不可としています。
Q5:花粉症で鼻が悪いのですが接種可能ですか?
A5:花粉症に限らず風邪などで鼻汁が多い方は効果が減弱するのでお勧めしません。症状が落ち着いている状態であれば接種は可能です。
ご不明な点があれば、お電話にてお問い合わせください。
よろしくお願いいたします。
院長 山岡正慶